日本の教育の問題では、よく、先生の質が問題にされます。これは、アメリカでも同様のようです。 しかし、先生には、熟練の人もいれば、新しくなりたての人もいます。小学校では、音楽や体育が専門の先生から算数や理科が専門の先生までさまざまで、その先生方がすべての教科を教えています。 こういう状況で、授業の効果を挙げる、最も確実な方法は、教科書を良くすることです。レベルを落とさずに、わかり易く、そして、練習問題も十分含まれている教科書にするのです。親が読んでわかる教科書、先生や親の助けがあれば、子どもが自分で読める教科書であれば、先生の良し悪しで子どもがマイナスの影響を受けることも少なくなります。自学自習の教科書であれば、どんな先生でも生徒は満足する授業になるのです。
日本の学校の授業の形式は、40人の生徒を前に、先生が黒板に書いてゆきます。それを生徒がノートに写してゆくというものでした。これを一斉授業といいます。 先生がほぼ一方的に授業を与えてゆく方式では、生徒は、じっと聴いていることに終始することになります。ある生徒は、途中で止まって繰り返して欲しいと思っても、そうはいきません。何より、ある生徒が最初からわからないときに、先生に質問して、それから先に進んでもらうこともできません。最初がわからないと、その日の授業は、すべてわからなかったということにもなります。そして、そのまま、授業が進み、学年を進級してゆくと、落ちこぼれの子も出てきます。上の引用のような生徒は、そういう授業で生まれてきた子供たちなのです。 しかし、教科書が自学自習であれば、各人の生徒が、それぞれの進度に合った部分を学習させる個別学習が可能になります。先生は、教科書でつまずいている子を少し補助するだけでよく、また、助けられた生徒は、それによって先に進むことができます。この授業では、落ちこぼれる子どもは出てきません。自学自習の教科書を使う授業では、落ちこぼれの子どもはいなくなります。
勉強をするというのは、本来、自ら手を動かして、まとめたり、問題を解くことです。そして、それが「考える」ことになります。学校の40人教室で、じっと前を見て、話を聞いていて、おとなしくノートをとっているのでは、自ら考えていることにはなりません。家に帰ってから自分で勉強して身につけることが必要となります。 もし、本当に「生きる力」をつけるというのなら、説明が詳しく、答のついている自学自習の教科書で、生徒が勉強する、そして、先生はそれを補助する役割に徹底することです。そうすると、生徒は授業時間に「自ら考える」ことができるようになります。子供は逆のぼった事柄でも先生に質問することができます。自ら考えることで、創造力も養われるでしょう。 自学自習の教科書を使うなら、クラスは必ずしも少人数でなくても、少人数クラスと同様な効果も上げられます。例えば、数人のグループ毎に机を円形に並べて、先生はグループを回りながら、質問に答えることもできます。グループ分けは、習熟度別にする必要はありません。できる子とできない子を一緒のグループにするなら、生徒同士の教え合いを促すことができます。
先生が黒板を使って行う一斉授業では、生徒はじっと先生の話すことを聴いていて、先生が黒板に書くことをノートに写すだけで、受け身の学習になります。先生が話しているときに、別なことを考えてしまうこともあるでしょうし、授業の中味についてゆきながら、考え続けるのは容易ではありません。結局、家に帰ってから、自分で勉強しなおして、初めて身につくことになります。たとえ、塾に通っていたとしても、一斉授業なら、同じことになります。塾から帰ってきて、自宅で復習しなければ、勉強内容が身につきません。しかし、自学自習の教科書を使う授業なら、自分で学習することになりますから、教科書を開いているときは、自分で考え、それだけ内容が身につきます。家に帰ってからの勉強時間はその分少なくてすみます。そして、自分で勉強できるのですから、塾に行く必要もその分、少なくなります。
自学自習教科書の効果をまとめると次のようになります。